八卦掌教室に入会して

40歳代 男性

 

とにかく理屈抜きに面白いです。中国拳法ということなので、気とか丹田とかのセンスがいるのかなと思っていたのですが、まだ私の練習段階では一回もその方面の言葉を聞いたことがありません。ひたすら汗、汗、汗。

 様々なヨーガの様な姿勢を要求されるのですが、そのたびに自分の肉体と真正面から向き合えるのが面白いです。意外な場所と場所とが繋がっていることに慌てたり、一個のユニットとしてしか意識していなかった部分が実はまだまだ細分化できることに喜んだり。知っていたつもりの自分の肉体を使って、新鮮で巧妙なパズルゲームをしているようです。

 私は子供の頃を合わせますと二十年近く日本武道を中心に格技に親しんでいるのですが、偶然にも、ある種の姿勢のあり方そのものが技になることに気付く機会に恵まれ、ここ数年はそのことばかりが稽古の課題でした。八卦掌を尋ねたのもその興味へのヒントが中国拳法で掴めたらと期待したからでした。

 私の考えは良い意味で甘かったと思います。八卦掌にはそのことそのものを鍛錬する方法が具体的に当たり前のようにあり、成果を客観的にチェックする方法までもがありました。あまりにもドラスティックで驚きました。

 私には八卦掌以外でも比較的自由な攻防で汗をかく機会があるのですが、八卦掌教室に入会以降、ある道場での稽古相手は私のことを「強引に入ってくる」「無理矢理」と感じるそうです。体格や体力や年齢に劣る私に、稽古相手の若い人がそう感じるのは意外でした。

 本当はもっと軽やかになってこその八卦掌だと思うのですが、しかし私のようなものが「強引」と思われるようになったのも面白いもので、これも私にとっての現段階での八卦掌の効果なのだろうと思っています。

 

 

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